ハイヤーやタクシー乗務員になろうとする場合、必ずと言って良いほど会社から提出を求められるのが運転記録証明書。
運転に関わる職業に就いていなければ、見た事も聞いた事も無い方がほとんどではないでしょうか?
そこで今回は
- 運転記録証明書とはどんな証明書なのか?
- どこでどうすれば発行して貰えるのか?
- 取得の際に気を付ける事は?
などの疑問についてご説明したいと思います。
ハイヤー乗務員への転職を考えている方は、いずれ必要になる書類ですので、ここでバッチリ予習しちゃって下さい!
運転記録証明書とは?
まずは運転記録証明書という物についてご紹介します。
運転記録証明書の概要
運転記録証明書とは、自動車安全運転センターが発行する証明書で、過去5年間まで(申請時に1年・3年・5年が選べます)の違反・事故・免許の行政処分の記録について証明する公的な書類です。
簡単に言えば、過去5年間にどんな違反や事故(点数がつく事故に限る)をしたかが丸わかりになる書類ですね。
ちなみに運転免許証とは違って、身分証明書としての効力はありません。
ハイヤー乗務員になるのに運転記録証明書が必要な理由
【ハイヤー乗務員になろうとする者は、就職する会社へ運転記録証明書を提出しなければならない。】
などと道路運送法を初めとする各種法令によって定められている…訳ではありません。
にも関わらず、ほとんどのハイヤー・タクシー・バス会社は求人への応募の際の必要書類として運転記録証明書をあげています。
これは、監督省庁である国土交通省が会社に対して
【雇用する(しようとする)乗務員の運転記録(事故違反歴)をきちんと把握して、必要に応じて安全運転の指導をしなさい】
と義務付けているからです。各会社は応募者の運転記録証明書を確認する事で、この義務を果たしていると言う訳なんです。
つまり運転記録証明書以外の方法でも良いと言えば良いはずなのですが、違反歴を公的に証明してくれる書類で一番簡単に取得出来るのが運転記録証明書なので、敢えて他の面倒な方法を取る必要はありませんよね。
運転記録証明書のそっくりさん達
運転記録証明書と名前が似ていたり、内容が似ていたりする証明書が存在するので、初めて取得しようとする人にとって非常にややこしい物になっています。
間違えて取得してしまわない様に、しっかりと予習しておきましょう!
名前は似てるけど全く別物!『運転経歴証明書』
運転記録証明書と、たった2文字違いの運転経歴証明書ですが、中身は丸っきり別物です。
発行元も自動車安全運転センターでは無く、各都道府県の公安委員会(運転免許証と同じですね)で、運転免許証とそっくりな書類です。
運転経歴証明書は、運転免許証を自主返納した人や期限切れ失効してしまった人が交付を受ける事が出来る公的な身分証明書です。
高齢者の運転免許証自主返納が話題になった分、運転記録証明書よりもこちらの運転経歴証明書の方が耳に馴染みがあるかも知れませんね。
過去に運転免許証を取得していた証明にはなりますが、運転の経歴は一切記載されていないのに『運転経歴証明書』って名称は誤解を招きますよね…
見た目も内容も似てるけど微妙に違う!『累積点数等証明書』
こちらは運転記録証明書と名称がハッキリと違うので間違え難いですが、書面の見た目と性質は非常によく似ています。
発行元も運転記録証明書と同じ自動車安全運転センターです。
運転記録証明書とほぼ同じ見た目で、記載内容も同じ違反・事故の点数なので、何が違うの?と思われるかも知れません。
こちらはあくまでも【累積】点数なので、現時点で累積している点数の証明書なんです。
原則として3年以上前の違反や点数は記載されませんし、1〜2点の軽微な違反なら無事故無違反の期間によっては、僅か3ヶ月前の違反さえも記載されません。
なので、過去の違反歴を正確に見るには力不足な書類なんですね。
免許制度の点数加算方式は複雑なので、
「あれ?俺の今の点数って何点だっけ?」
と分からなくなってしまった運転者が確認する為に利用するのが主な使い道です。
もちろん、身分証明書としては使えません。
他にもある運転免許関係の証明書
本命の運転記録証明書と同じく自動車安全運転センターが発行する証明書は、あと2つあります。
- 運転免許経歴証明書
- 無事故・無違反証明書
間違える事も無さそうな名称ですし、これ以上は流石に本題からズレてしまいますので、名称のご紹介に留めておきます。
興味のある方は自動車安全運転センターのサイトで確認してみて下さい。
運転記録証明書の発行手順
運転記録証明書を発行して貰う手順は以下の通りです。
- 申込用紙を入手し、必要事項を記入
- 手数料と共に申込用紙を提出
- 後日郵送か受取りで取得完了!
順にご説明致します。
申込用紙を入手し、必要事項を記入
申込用紙は、警察署、交番、駐在所、自動車安全運転センター(免許センターに併設)に備え付けてあります。
必要な証明書の種類と数・住所・氏名・電話番号・免許証番号などの必要事項を記入します。押印も忘れずに!
手数料と共に申込用紙を提出
ゆうちょ銀行・郵便局・自動車安全運転センターいずれかの窓口へ、手数料を添えて申込用紙を提出します。
手数料は1通につき670円(2020年9月現在)です。ゆうちょ銀行や郵便局窓口から払い込む場合は別途、払込手数料がかかります。
後日郵送か受取りで取得完了!
証明書は後日(申請日から1〜2週間程度)記載した住所へ郵送されてきます。
直接センターの窓口へ取りに行く事も可能ですが、現在は即日交付は行なっていないそうなので後日改めてセンターへ出向く必要があります。
オススメは免許センター
上記の通り、住所地を管轄する免許センターへ行けば申込用紙も手に入りますし、その場で記載して払込手数料無しで申請まで出来ます。
運転記録証明書が届くまでの日数も、ゆうちょ銀行や郵便局窓口から申請した場合に比べて数日〜1週間程度早く届きます。
免許センターの場所や時間の都合もあるとは思いますが、可能であれば免許センターからの申請がオススメです。
代理人による申請も可
「免許センターどころかゆうちょ銀行も郵便局も行く時間が無い…」
そんな方は代理人による申請も可能です。通常と同じく申込用紙と手数料に加えて
- 本人作成の委任状
- 代理人の本人確認書類
が必要になりますのでご注意下さい。
ハイヤー・タクシー乗務員への転職に必要な運転記録証明書って何?:まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 運転記録証明書とは過去5年間までの違反・事故歴を証明する物
- ハイヤー・タクシー会社の義務である、乗務員の違反歴の把握に必要な物
- よく似た証明書があるので間違えない様に注意が必要
- 発行までの手順(オススメは免許センター)
これらについてご理解頂けたかと思います。
私は運転経歴証明書と間違えて申請しかけてしまい、免許センターで教えてもらって事なきを得ました。 σ(^_^;)オハズカシイ
今回の記事を読んで頂けた皆さんは、そんな恥ずかしい間違いをせずに、キチンと運転記録証明書を発行して貰いましょう!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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