<<前回のあらすじ>>
突然のリストラ勧告を受けたサム夫。
正社員の転職先を探すも、40代・未経験では満足できる求人は見つからず…
失意に暮れるサム夫の元に届いた一通のオファーメール。
それはハイヤー乗務員へのオファーだった。
ハイヤー乗務員ってオイシイ?アヤシイ?
『自分を必要としている企業がある』
その事に喜びはしたものの、肝心のハイヤー乗務員という職業がどんな仕事なのか?
黒塗りの高級車でお偉いさんを乗せる運転手
くらいのイメージはありましたが、勤務実態や待遇などは全く知りませんでした。
求人内容を確認してみると、
- 正社員雇用で65歳定年
- 未経験でもOK
- 40〜50代でもOK
- タクシーみたいな流しは無い
- 平均年収500万円以上
- 運転は多くても2〜3時間/日
…何これ?
話しがうま過ぎて、逆に怪しくね?
きっと何か裏があるに違いない!
そう思ってハイヤー乗務員について調べ始めました。
待遇面は同業他社も同じ様なものでしたので、とりあえす嘘では無さそうです。これがハイヤー会社の一般的な待遇なのでしょう。
しかし書いてある事は本当だったとしても、書かれていない裏の真実があるかも知れません。
良い部分だけを書いて、それ以上の悪い部分は書かない。これなら確かに『嘘は言っていない』事になります。ブラック企業の求人によく見られる方法ですね。
そこで私は、募集している企業側だけで無く、実際に勤務経験のある人の声を調べてみました。
ハイヤー乗務員が好待遇に見える理由
ハイヤー乗務員の実態を知ろうと、生の声・口コミを探してみましたが、かなり苦労したのを覚えています。
ハイヤー乗務員は年齢層が高い為ネットへ情報発信する習慣のある人が少なく、更に守秘義務に厳しい職業なので、とにかくハイヤー乗務員の生の声って本当に少ないんです。
- Yahoo知恵袋
- 教えてgoo
- 2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)
- ブログ
この辺りを毎日必死で読み漁っていましたね。
そうして分かったハイヤー乗務員が好待遇に見える理由が、
不規則で長い拘束時間と残業代で稼ぐスタイル
という特殊性でした。
平日は毎日15時間勤務とか当たり前な仕事と言えば、もうそれだけでご理解頂けるかと思います。
時給換算で言えば2000円弱ですから、別に特別に好待遇って訳でもありません。
ただ、拘束時間(=勤務時間)の大半が待機時間で、実質的に休憩時間と同じという特殊性もあるので、時給換算が適切かどうかは疑問が残りますが。
この辺りを求人では詳しく伝えてくれないんですよね…まぁ記載欄に限りがあるので難しいのでしょう。
兎にも角にも、取り敢えずハイヤー乗務員という職業が美味しそうに見えるカラクリは分かりました。
私は家族を養わなければならない立場でしたし、40代で未経験職となれば贅沢は言ってられません。
毎日8時間勤務で残業無しだけど稼げない仕事より、勤務時間は長くてもしっかり稼げるのであれば、それはむしろ有り難い事だと納得出来ました。
タクシーよりハイヤーを選んだ理由
ハイヤー乗務員について調べていくと、必ずと言って良いほどタクシーとの比較に辿り着きます。
一般人が接する事の無いハイヤーについてゼロから説明するよりも、一般人でも利用経験があってイメージ出来るタクシーと比較しながらの方が説明し易いですからね。
ハイヤーとタクシーの違いを詳しく書くとそれだけで1〜2記事のボリュームになってしまうので、私がタクシーでは無くハイヤーを選んだポイントを2つご説明します。
- 収入の安定性
- 世間体
収入の安定性
私には妻と当時小学生の子供が2人いましたので、安定した収入は絶対条件でした。
タクシーも都内で真面目にやっていれば年収400万円以下になる事は少ないと言われていますが、やはり安定性ではハイヤーの方が確実です。
これはハイヤーは継続的に利用されるお客様がほとんどである事に起因します。
稼げる年収の上限としては、都内であればハイヤーよりタクシーの方が高いです。ハイヤーでは600万円以上は難しいですが、タクシーなら700万円超えも不可能ではありません。
もちろん年収が多いに越した事は無いのですが、元々が慎重派と言うかビビリな私は、上を夢見るよりも足元を固める方を選んだのです。
結果論ではありますが、この選択は正解でした。
2020年のコロナ禍においてタクシー業界は大打撃を受け、職を失った乗務員も数多く生まれてしまいました。
もちろんハイヤー業界も打撃を受けてはいますが、乗務員の収入は減ってしまいながらも職を失う様な事態には至っていません。
あの時にタクシーよりもハイヤーを選んだ自分を褒めてあげたいです。
世間体
え〜初めにお詫びしておきます。
もしかしたらタクシー乗務員の方が気分を害するかも知れませんが、申し訳ございません。
あくまでも世間的なイメージとしてですが、40過ぎでタクシー乗務員になるって『いかにもリストラされました』って感じがしませんか?
まぁ実際に私はリストラ勧告されましたし、ハイヤー乗務員だって実際にはそういった人達が転職してきてるので、本当の所はタクシーもハイヤーも同じなんですよ。業界に入った今ならそれは断言出来ます。
でも業界外の一般人のイメージとしては、ハイヤーの方が
- ピシッとしてて
- 高級車に偉い人を乗せて
- 簡単には出来ない仕事
みたいなイメージありませんか?
私はありました!
タクシー乗務員の皆様ゴメンなさい!
本当、タクシー乗務員をされている皆様に失礼な話しだとは分かっていますが…世間的なイメージって、こんな感じだと思うんですよ。
勤める本人は実態を知る事が出来るのでまだ良いですが、家族は外からのイメージしかありません。要は妻や子供達に格好つけたかったんです。
でもこれ、40〜50代で再就職せざるを得ない状況の人なら共感してくれる人も多いと思います。
それで良いんです!
あなただけじゃありません!
ちっぽけなプライドだって、意味の無い世間体だって、気にしたって良いんです!
って事を伝えたかったんです。
だから敢えて、タクシー乗務員の方への失礼を承知で書かせて頂きました。
ただ、これを読んで頂けた方は『実はタクシーは高収入で休みも規則的な魅力的な仕事』だという事は覚えていって下さいね。
次回予告:いざ!面接へ!
ハイヤー乗務員への転職に前向きになったサム夫は意を決して面接に臨む!
面接会場で目にした意外な真実とはっ!?
果たしてサム夫は内定を勝ち取れるのかっ!?
次回『40代でリストラ勧告された私がハイヤー乗務員になるまで【体験記3/4】』乞うご期待!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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