ハイヤー乗務員という仕事の口コミには
「1週間会社に泊り込み」
「月に数日しか家に帰れない」
という声も聞かれます。
果たしてこれは本当なのでしょうか?
基本的に乗務員は電車通勤
ハイヤー乗務員は営業所へ出社してからお客様をお迎えにあがり、ご帰宅後も営業所へ戻る必要があります。
請負や派遣と呼ばれる業務形態の場合には車両持ち帰りで直行直帰も可能です。詳しくは以下の記事をご覧下さい。
大手を始めとした都内ハイヤー会社の営業所の殆どは都心部にありますので、乗務員は電車通勤が前提となります。
必然的に始発や終電の時間に間に合わなければ帰れないという事になります。
マイカーやバイク通勤は禁止か非推奨とされている会社が殆どです。中小の会社では人集めの為かOKとしている会社も散見されますが、職業運転手としては事故や違反のリスクを考えると無用な運転は避けた方が無難です。
その他の通勤手段として、
- 家族(主に奥さん)の送迎
- 自転車通勤
- タクシー(自腹)
などを利用する乗務員もいますが、家族の負担・体力的負担・経済的負担がついて回りますので、慎重な判断が必要だと思います。
通勤は長期的な事ですので、やはり普段は電車通勤を基本として、どうしても帰らなくてはならない場合に、上記の様な手段を使う様にした方が無理がなくて良いでしょう。
毎日帰れるとは思わない方が良い
早朝から深夜まで
ハイヤー乗務員はお客様の出勤から帰宅までお供します。
お客様のご予定によっては、始発での出社でも間に合わなかったり終電を逃したりする事も珍しくありません。
ですので、家に帰れない日があるのは事実です。
毎日帰宅出来る様に仕事を選ぶ事も可能ではありますが、残業代が稼げませんので収入は減りますし、会社からの評価にも良い影響は与えません。
ハイヤー乗務員をやる以上は、毎日帰宅出来るとは思わない方が良いと言う事です。
急に帰れなくなる事も
「今日は会食予定も無いし、久々に早く帰って映画でも観ようかな〜♪」
なんてウキウキしていると、乗り込んで来たお客様が
「いや〜急に会食になっちゃったからさ、銀座に向かってくれる?」
なんて事は日常茶飯事なのがハイヤー乗務員。
また食事だけの予定が先方と意気投合して、二次会、三次会…そして終電を逃すなんて事も。
この様な急遽の泊まりに備えて、ハイヤー乗務員はロッカーに着替え(下着類とワイシャツ)を2〜3セット用意しているのが常識です。
帰れない事そのものよりも、今日は帰れるのかどうか終わるまで分からない事の方が、私は慣れるのに時間が掛かりました。
妻に「今日は帰れそう?」と聞かれる度に心が痛んだものです…
全く帰れない乗務員とは
夜遅くなって帰れないのは少数
「帰れない」と聞くと、夜遅くまで仕事をした結果と思われる方が多いでしょう。
確かに夜の会食の仕事もハイヤーの代表的な仕事ではあります。
しかし毎日24時近くまで飲み歩くというお客様は少数派(ゼロとは言いません)で、頻度が高い方は22時過ぎ頃まで、24時近くまで飲まれる方は週に2〜3日というパターンが多いです。
また専任のお客様では無い単発の仕事であれば、配車デスクから仕事を振られた際に「もう2日も泊まってるから今日は帰る」とでも言えば断れます。
会社も働き方改革による残業時間の規制があるので、連日遅くて残業時間が多い乗務員には夜の仕事を振らない様になってきている筈です。
つまり、毎日夜が遅くて終電に間に合わないというケースは少ないのです。終電を逃すのは週に2〜3日程度が通常です。
早朝出庫の為の前泊
朝のお迎えが早朝だと、自宅から始発で営業所へ出社しても間に合わないケースがあります。
朝は営業所を出発する前に
- 制服へ着替え
- 車両の運行前点検
- 点呼
をしなければなりませんので、お客様のご出発の時間から逆算して2時間近く前には出社する必要があります。
出勤が早めのお客様の仕事や、ゴルフ仕事についたりすると、始発で出社しても間に合いません。
始発で間に合わない場合は、前日から会社に泊まる前泊が余儀なくされます。
前泊は強制ではありません。タクシーや家族の送迎、自転車など自力で間に合わせている乗務員もいるにはいます。寝坊や事故が怖いので、会社としては前泊して欲しいのが本音でしょうが…
台風や降雪予報など交通機への影響が予想される場合も前泊が推奨されます。人身事故や車両故障による遅延や運休ならともかく、予報が出ている以上は遅延や運休を言い訳に出来ないのがハイヤー乗務員なのです。
毎日帰れない人は前泊が原因
専任のお客様の出勤が早い場合は、連日帰れない可能性が高くなります。ゴルフや会食と違い、出勤は毎日の事だからです。
しかも朝早いといっても、残業時間としては2〜3時間と少なめなので残業時間規制にも引っ掛かり難く、会社からのストップも期待できません。
月曜から金曜までの平日は家に帰れないという乗務員は、殆どがこのパターンです。
ですので毎日帰れないのは困るという人は、専任の話しが来た際に、出庫時間をキチンと確認しておく事が重要です。
もし、その様な案件を打診された場合は
「子供が産まれたばかりで妻一人には出来ない」
「年老いた親と同居している」
「一人暮らしでペットがいる」
など、帰らなくてはならない理由を伝えれば会社も無理強い出来ません。
仕事をしたいラインとしたくないラインは自分で管理しなければハイヤー乗務員は務まりません。
我儘ばかりを言っていてはいけませんが、言われるがままに仕事をしていると、恐ろしくハードになったり、全く稼げなかったりするのがハイヤー乗務員です。
まとめ
ハイヤー乗務員は全く家に帰れないのか?と言えば、そんな事はありません。
確かに帰れない日はありますが、多くても月の半分程度です。
意識して帰ろうとすれば、もっと帰れます。
最近では会社も残業時間の抑制に動いているので、月に数日しか帰宅出来ないなんて事はほぼありません。
残業代を稼ぐ為には泊まり勤務は必要ですが、月の半分(約10日)も泊まれば平均以上の年収にはなります。
残業時間と泊まり日数と年収の参考はこちら
いずれにしても、帰りたいのに全く帰れないと言うのは昭和のハイヤー乗務員の話しです。
お客様の都合と自分自身の都合をよく考えて、上手くコントロールしていく事が大切だと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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